ほんとに残念というか、悔しさの残る会見でした。ついに来期、トヨタがF1から撤退するということが現実のものになってしまいました。企業が営利活動を行うことを目的としている以上、避けて通れない決断だったのかもしれません。山科代表の涙が全てを物語っている気がします。これまで積み上げてきたもの、やり遂げてきたものに対する評価は素晴らしいものであったと思います。ゼロから始めてものを形にしていくことが如何に大変か。チームを纏め、結果を出していくことの難しさ。全てがあの涙に顕われていたのでしょう。恐らくは日本人としてはじめてタイトル争いを出来そうな資質を持ったドライバー、可夢偉の登場に応えられない悔しさみたいなものがそうさせたのかもしれません。
トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、2009年をもってフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)から撤退することを発表した。トヨタは、昨年来の急激な経済情勢の変化の中でも、豊かなクルマ文化の創造に向けた重点施策として、モータースポーツの最高峰であるF1への参戦 を継続してきた。しかしながら、昨今の厳しい経営環境を踏まえつつ、来年以降のモータースポーツ活動についても、あらためて中長期的な観点から総合的に検討した結果、本年限りでのF1からの撤退を決定した。今後、F1に参戦していたトヨタのモータースポーツ子会社Toyota Motorsport GmbH(トヨタ モータースポーツ有限会社)は、欧州におけるモータースポーツ活動拠点へと、事業内容を転換していく予定である。
トヨタはモータースポーツ活動を、クルマの持つ「夢」や「感動」をお客様にもたらす大切なものと位置づけており、F1には、2002年以降8年に わたって参戦してきた。多くのチームがしのぎを削る、最高峰のレースへの挑戦は、トヨタのブランド認知度・信頼度の向上や、技術開発、人材育成など、様々 な面でトヨタに多くのメリットをもたらしてくれた、かけがえの無い貴重な経験であった。単独チームとしての参戦には、多くの困難もあったが、ファンの皆様 や、関係者の皆様の温かいご支援に支えられ、8年間で表彰台13 回、入賞87 回という成績を修めることができた。
トヨタは今後、F1をはじめとするモータースポーツで得た経験を生かしながら、スーパースポーツ「LEXUS LFA」や小型FRスポーツなど、お客様をワクワクさせることのできる市販車の開発に邁進していく。また、モータースポーツ活動についても、様々なカテゴ リーのレースへの参戦のみならず、お客様に身近に感じていただけるグラスルーツレベルのレースの支援や、気軽に楽しんでいただけるようなイベントの企画、 モータースポーツの一層の発展に貢献すべく、積極的に取り組んでいく。
毎日.jp
http://mainichi.jp/select/biz/news/20091104mog00m050025000c.html
リリースを読む限り、トヨタ本体はF1の意義といったものを少しヨーロッパとは異なった捉え方をしていることもうかがえる内容です。クルマ文化、レース文化はヨーロッパではそれそのものが文化であり、馬を出発点とした移動手段の生活に密着した考え方というものを企業として理解できていないようにも取れます。自社顧客へのサービスという表現が最初に来てしまうこと自体が、少しズレてるなぁ、と思える所以です。
それはさておき、僅か8年という短い期間ではありましたが、モータースポーツファンに期待を持たせ、楽しませてくれた関係者の皆様に感謝したいと思います。何時の日か、また復帰することを願いながら。
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